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Exhibitions
現代版画7人展
~ その多様性と可能性 ~
阿部夏希×伊藤由美子×岩渕俊彦×叶悦子×田村晴樹×橋本尚恣×本田綾子 (五十音順)
2020/8/28(金) - 9/26(土)
インプレクサス・アート・ギャラリーは、岩手・東北と世界をアートで繋ぐをコンセプトにしたギャラリーで、この度、東北に拠点を構えて活躍中の7人の作家による版画を中心とした展覧会を開催いたします。
版画にも様々な技法があり、また、その表現も多様です。今展では、七人の作家が夫々の技法を駆使して、独自の世界を表現した作品が展示されます。個性豊かな七人の作家による七色に輝く作品群をどうぞご堪能いただけましたら幸いです。
■阿部夏希(岩手在住):ふと目にしたものが気になって立ち尽くした瞬間の記憶があります。その時の感覚を表現したい欲求を制作の軸とし、銅版画の中でも、版に直接図像を刻みつけ、刷り取る技法で作品を制作しています。
■伊藤由美子(秋田在住):日常の中で気になったものや記憶のような曖昧なものをかたちにしています。例えば、人物という具体的なものがモチーフでも、人そのものというより、その人がまとう空気感や、私がそこから受け取る心象的な部分を表現しています。
■岩渕俊彦(盛岡在住):ここ数年、エッチングで身近な風景を描いています。今回の出品作も、ほとんど毎日のように見上げている樹木の姿です。樹齢百年をゆうに越える大木とツタです。
■叶悦子(仙台在住):私はその時々強く興味を感じることをテーマにしてきました。それらは一見バラバラのようですが私から伸びる枝の一つと言えるかも知れません。震災以来そして今「日々を大切にして春をじっと待つ」という枝が伸びています。
■田村晴樹(盛岡在住):大学で版画(銅版・油性木版)を始め、卒業後は水彩画を中心に制作を続けている。90年代半ばから水性木版を始め、水彩画から触発されたぼかしを使った有機的な形や幾何学的な形の作品を発表している。
■橋本尚恣(青森在住):版画は感覚を刺激する未見の断片を静かに移しとる作業。版画のインクと和紙に滲む墨というふたつの黒。作品を観ることで忘れた記憶や体験していないことまでもが「自分史」に組み込まれる不思議を感じてほしい。
■本田綾子(盛岡在住):線と点で人の心の機微や「ゆらぎ」を捉えて抽象的な表現をする。人の手が届かないような高い意識や精神性を大切にし、その反面、人間的な生物的な表現も大切にしている。