この度　インプレクサス・アートギャラリーでは、藤村勝美展 [音影おんえい] – TONE SHADOW – を開催いたします。

藤村勝美の制作は「音の視覚化」の試みにあります。敬愛するG.マーラーや武満徹そして日本の能の音空間などから受けた「音の機微」をどう視覚の陰影に刻むのか。今展では一連の作品を総称して「音影」と名付けました。鑑賞の一助になれば幸いです。

〜作者の言葉〜
今展について、ふと「音影」という韻が浮かんだ。もちろん私の造語である。
例えば日本の能の音空間について考える。この奥行き感はどこからくるのか。それは、旋律のない音と沈黙がもたらす間(ま)の仕業なのだ。巧妙に仕組まれた自然体。
S.ライヒというアメリカの作曲家がいる。ミニマル音楽だが音素材は人の声や手拍子などがあり、とても有機的に響く。さらに曲のエンディングが見事である。突然曲が終わり、ごく短い音の減衰とやがて来る漆黒の沈黙。「音と沈黙」は私に託された荷物である。楽しみな荷ほどきが終われば「視覚」への長い道のりがまた始まる。

プロフィール
藤村　勝美　1952 盛岡市生まれ

1997.98.99 個展 ギャラリー彩園子　盛岡
2000 第1回アーティストサポートコンペ入賞作品展　ギャラリーCHIMENKANOYA 東京
2001 個展 NEW YEAR COLLECTION 展　ギャラリーイデア　東京
個展 ギャラリー五峯　東京
2002 個展 ギャラリーCHIMENKANOYA 東京
2003 個展 BoConcept MINAMI AOYAMA 東京
2012 個展 ギャラリー彩園子　盛岡
2015 個展盛久ギャラリー　盛岡